木遣り(キヤリ)
木遣り歌とも。大木や石を大勢で引いて行くときにうたう歌。
家を建てるため柱となる木を切り出して引いてくるとき,音頭取りが材木の上に上ったりしてうたった歌が,字義どおり木遣りであるが,祝儀歌としても民謡の中に定着して今日に及んでいる。
建築儀礼などにうたわれ,江戸木遣りなどのように美声の鳶(とび)職に伝承され,棟上げやさらに祭礼の練歌(ねりうた)に転用して使われている。
《伊勢音頭》なども,伊勢神宮の20年ごとの遷宮に切り出した材木を運ぶときの木遣り歌に端を発しており,今も全国に分布する《伊勢音頭》およびその系譜の歌のもつはやしことば〈ヤートコセーノヨーイヤナ〉は木遣りの際のはやしことばであった。
木遣り師(遣師)
木遣り師は曲の出だしなど肝心な聞かせ所を一人で受け持ち、歌い上げる役目の人。
側受(がわうけ)
側受は木遣り師の後に続いて大勢で唄って曲を盛り上げます。
木遣り唄
木遣り唄は、上の句と下の句から成り、基本的にひとりずつ唄うが、曲目によっては、全てを独唱する場合と、上の句は木遣り師がひとりだけで唄い、下の句は側受が木遣り師に合わせ て唄う場合などがあります。